今井酒造店とは

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蔵からのメッセージ

 戸隠、飯綱、黒姫、妙高、斑尾の北信五岳に囲まれた北信濃善光寺平、高原性の気候風土のもと大水脈犀川の清冽にして豊かな清水と酒造に適した高品質の原料米に恵まれた美酒の郷です。
 今井酒造店はこの地で元禄4年の創業以来、手造りにこだわり、まごころを込めて地酒「若緑」を育んできました。
 永い歴史の中で受け継がれてきた伝統の技と風土が生み出す味は「生粋の地酒」と呼べる魅力を持っています。
 今井酒造店ならではの手造りの味は、自然の恵みであるお米の良さを生かした、飲み飽きせずに沢山飲める、ゆっくりと長く飲んでいただける芳醇で旨口のお酒です。
 飲んでくださった方が自然と笑顔になり、思わずほっとして安心できるようなお酒であり続け、皆様の心と体を癒す助けになりたいと考え日々精進しております。
 しかし、強い想いだけではその味は生まれません、永年受け継がれてきた伝統の技術と、日々の仕事で身に付けた経験による技能があって初めて実現できると思っています。
 その為に日々の活動の中で、細かな事、小さな事でも手を抜かず、飲んでくださるお客様の事を想い、酒造りに取り組んでいます。
 300余年という長い間、技術と味をを引継ぎ酒造りを続けることができたのは、地元をはじめとした皆様に造り、理念、そして何より味を認めていただき「おいしい」と言っていただき飲み続けてもらえたからこそです。
 蔵の歴史は、そのままお客様とともに歩んできた歴史でもあります。
 これからも多くの皆様の日々に寄り添い、ご愛飲いただくためにも守るべきものは守り、そして、時代によって変化するものは変えていきながら、お客様とともに更なる歴史と伝統を積み重ねていきたいと思っております。

今井酒造店の生い立ち

1691年 (元禄4年)

善光寺で差配をしていた先祖が現在の地に移り住み創業。
この地に居を構えたのは、江戸時代、隣村の長沼が大変栄えた宿場町であり、長沼と善光寺を結ぶルートを考えてのことだと思われます。

1847年5月8日(弘化4年3月24日)

善光寺平を震源とした直下型で発震、付近に死者8000人以上と言われる
大きな被害をもたらした逆断層型の地震。震度は推定7、地震の規模を示すマグニチュードは推定で7.4、文献によっては7.3と言われています。
当社も大きな被害を受け、その時に多くの記録、文献が失われてしまい、江戸時代の当主の名前などははっきりわかっていません。 

明治~昭和初め頃

 九代目 栄左ェ門
 十代目 金作

この頃は肥料問屋や生糸を取り扱った商売もしていましたが、十代目金作の代には世界恐慌もあり、経営が苦しくなった時もありました。

昭和初め~昭和63年

 十一代目 大太郎
 十二代目 千仭

十一代目大太郎の代に再び盛り返し、十二代目千仭の代には当時(昭和30年頃)は珍しかった純米酒に力を入れるなど、大量生産の時代に品質の向上にも取り組んでいました。また、酒粕を使った漬物を造ったり、昭和60年頃からは米焼酎や地元の特産品である杏を原料にしたワインの製造を開始するなど、お客様の様々な声にお応えするために商品の多様化にも力を入れました。

平成三年~現在

 十三代目 用一
昭和40年代後半をピークに、食生活の洋風化、アルコール飲料の多様化などの影響により、日本酒の需要は落ち込み今も厳しい状況が続いています。そんな中でも長野県産美山錦を使用した純米吟醸「五岳」を造り、2017年には長野県木島平産の金紋錦を使った純米大吟醸「五岳」を生み出すなど純米酒に更に力を入れるとともに「五岳」を「若緑」と並ぶもう一つのブランドとなるように育てていきたいと考えています。また、地元の志を同じくする小売店の皆様と米を栽培し、そのお米を使った「風の露」を立ち上げました。更に、杏ワインの酵母を従来のものから、杏から抽出した酵母に変更し、味の向上を図っています。
近年、若者のアルコール離れが進むなど、まだまだ大変な状況ではありますが、これからも長く受け継がれてきた伝統を守りながらも時代の変化に対応できるように様々なチャレンジを行い、地元の皆様はもちろんのこと、多くの方に飲んでいただけるように精進していきます。

酒造りへの想い

 1691年の創業以来、今日まで量は少なくとも一貫して「味本位の酒造り」を頑ななまでに受け継いできました。
 私たちの代表銘柄「若緑」の由来は江戸時代の謡曲に因んだもので、「理想を高く、進取の気持ちを持ち若さを忘れずに」という想いが込められています。「進取」とは自分から進んで物事をすること、従来の慣習にこだわらず進んで新しいことをするということであり、酒造りはもちろん仕事をする上で
常に心掛けています。

 

お酒を造る作業は冬の寒さの中、朝早く、夜遅いという厳しい環境であり、身体が辛いだけでなく心が折れそうになる時もあります。それでも、より良いお酒、美味しいお酒を届けるために真剣に取り 組んでいます。なぜなら、酒造りには造る人の気持ちが大きく反映されると考えているからです。造り
手の心が酒の善し悪しを決めると言っても過言ではありません。そして、心だけでなく今井酒造店には代々受け継がれてきた伝統の技があります。技と心が合わさり、甑、和釜などの昔ながらの道具を使って、可能な限り手作業で醸し出されたお酒は日本の伝統文化と呼べるこの地でしかできない生粋の地酒の味わいがあります。

 また、美味しいだけでなく、安心して飲んでいただけるように、私たちは、米の等級や使用する麹、醸造アルコールの量が制限され、糖類などの食品添加物を使用しないなど、品質における厳しい基準が設けられた特定名称酒のみ造っています。さらに、米と水だけで造られ体に優しい純米酒への取り組みは長野県内でも早いとされる昭和30年から初めているだけでなく近年純米大吟醸を造るなど年々割合も増やしています。

 

 こうして造られたお酒をお客様に飲んでいただき、皆さんの「おいしい」という言葉や飲んだ方の笑顔や安心した表情をもらえると仕事の疲れも吹き飛び、もっと美味しくしよう、もっと頑張ろうという力 になります。
 これからも社員一同、丹精込めた酒造りに徹しようと心を重ね合せ、お客様から喜ばれる伝統の酒造りを守り、そして、追求していきたいと考えています。

 

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酒造り年間スケジュール

1月

年始式
大吟醸、純米大吟醸仕込み開始
戸隠山雪中酒埋蔵、雪囲い酒埋蔵

2月

大吟醸、純米大吟醸上槽
 

3月

雪囲い開き
酒造り終了
 

4月

戸隠山雪中酒掘り出し
 

5月

全国新酒鑑評会
夏酒出荷
 

6月

杏ワイン仕込み

7月

初吞み切り
酒粕出荷開始
ウリ収穫 塩漬け開始
 

8月

粕漬け製造開始
 

9月

ひやおろし出荷開始
長野県清酒品評会
 

10月

関信局品評会
粕漬け出荷開始
甘酒製造開始
 

11月

日本酒製造開始
長野県甘酒品評会
 

12月

新酒発売開始
板粕販売開始
年末大掃除